パソコンにdigital audio入力をつける
その筋で有名なART838にSPDIF(TOSLINK)改造

そんなに使い込んでいませんが今のところ問題ないです

パソコンSPDIFを取り付けて昔のレコードとかテープをデジタイズしようと思い立った。
一時期話題になったART833の後継であるART838というサウンドカードに改造を加えた。


概要

ART838のデジタルCD入力にTOSLINKを接続した。
ゲームポートのコネクタを取り去り、跡地にTOSLINKを取り付けた。ゲームポートを使う人は、TOSLINKを取り付ける位置を工夫してください。
ART838の最新のドライバは、cmediaのホームページからダウンロードした。
CD−ROMベアドライブ(AOPENの48倍速ATAPI)のデジタル出力はすんなり受信できるのに、TOSLINK経由MDデッキ(KENWOOD DMF-7002)出力ではガリガリというかノイズ混じりの音しか出ない。位相を反転することで取り込めるという諸先輩の実験例に見習ってTOSLINKの出力を反転してみるとうまく取り込めた。

しかし、何で反転するといいのか気になるので、EIAJからデジタルオーディオインターフェースの規格書(EIAJ CP−1201)を取り寄せた。それを読むと、回路の設計の仕方しだいで、設計者の意図していない極性の信号では、同期が外れることがあるみたいだと、判った。
(CD−ROMベアドライブ出力とTOSLINK出力が逆相になっているかどうかの確認は未だしていません。)

1999年10月29日追加
C−MEDIAのホームページにあった最新のドライバ(ver2.21)、アプリ(ver2.01)には、SPDIFの極性を診断、設定する機能が追加されています。この機能がきちんと働いているとすると極性反転回路の必要がなくなり、改造がいっそう簡単になりますね。秋葉でみつけたら、もう1枚買っておこう。


用意するもの

1.パソコン PCIバスが1スロット空いていること。WIN95かWIN98が動作していること。電源−GNDをショートして壊れちゃっても会社の仕事とかに影響がないこと。

2.サウンドカード「ART838」 秋葉原では「ブレス」、「九十九」で手に入ります(1999年5月現在)。約4000円です。

3.TOSLINK(TORX178) デジタルオーディオ光インターフェースのデファクトスタンダード(日本だけかも)になっている東芝の製品。私は秋葉原の秋月で入手できるTORX178を使いました。確か500円くらいです。

4.IC 74HC86 最近仕事でこの手のICを使わなくなってしまったので、まだ標準的なのかどうかわからない。ここでは東芝のTC74HC86PというICを使いました。100円くらいでしょう。

5.抵抗 1kΩ〜4.7kΩ(1/4Wから1/8Wの大きさ)

6.積層セラミックコンデンサ 0.1μF25WV

7.電解コンデンサ 33μF前後16WV

8.コイル27μH
   5〜8は、秋月でTORX178を買うとおまけでついてきます    

9.配線用電線 細いもの

10.はんだづけ、その他工作用工具一式


手順

1.ART838のゲームポート(D−Sub15pinコネクタ)を取り外す。はんだ吸取り器があるとスムーズ。なければ、基板がいたまないよう気をつけつつ、コネクタを破壊しながら取り外す。ついでに、コネクタ除去と同時に必要がなくなるチップ部品をはずして置きましょう。(写真参照) また、コネクターIC間のパターンも一部はがしましょう。自身がない人は止めときましょう。無理に取り外す必要はありません。


2.はずしたコネクタの跡地にTORX178を取り付けます。このとき、基板に3mmの穴をあけるとTORX178がぱっちんととまってガタツキがなく固定でき信頼性が向上します。これも写真参照願います。

TORX178は、真中の足がGNDです。基板のべたGNDのレジストをはがして半田付けしましょう。
+5Vは、5Vの3端子レギュレータの足からとります。


3.信号の位相反転用に74HC86を空中配線用に加工します。加工方法は写真参照。回路は以下のとおり。

フォントが小さくて判り難いですか?すみません。
TORX178の出力が74HC86の12PINに入力されます。13PINは抵抗でプルアップしてあります。11PINがサウンドICの72PIN(SPDIF入力)につながっています。74HC86の13PINをGNDすると信号は反転しません。正転のままサウンドICに入力されます。正転・反転切り替えが必要な場合は、13PINをGNDするスイッチを取り付けてください。


4.CMEDIAのホームページから持ってきたドライバをインストールして完了です。
1999年10月20日バージョンのドライバ(ver2.21)とアプリ(ver201)では、SPDIFの極性の診断と設定ができます。(まだ試していないけど)

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